マスコミが食いつくプレスリリースの書き方㊦

目次

マスコミが欲しがっているのは旬なネタ

次は中身についてです。

たくさんある世の中の事象の中で、マスコミはどんな話題をニュースとして取り上げたいと思うのでしょうか。まず一番分かりやすい基準が、「旬なネタ」であるかどうかです。

 

「旬」の最たるものは、事件や事故などのニュースです。一刻も早く取材をして、読者・視聴者に内容を伝えなければならないものといっていいでしょう。取材も最優先事項です。

 

でも、みなさんが取り扱うのはもちろん事件・事故ではありません。ですから語弊はありますが、自分で「旬」を演出し、そこをアピールするのです。

 

例えば、「初めての~」ということは「旬」なニュースになります。世界初、日本初である必要はありません。以前、スターバックスコーヒーが北陸地方のある県に初めて出店したことが、地元でニュースになったことがありました。全国的にはもう珍しくないことでも、その地域の人にとって初めてのことならば「県内初」「地域初」として旬なニュースになります。

 

次に、その活動が世の中のためになっているか、社会性があるかという基準です。「~が発売された」というストレートな経済ニュースだけが、マスコミに取り上げられるのではありません。人々の共感を呼び、応援したくなること、話題にしたくなるようなこと、そのような「話題物」も、マスコミが常に求めているネタの一つです。

例えば、ある方で乳がん経験者用の下着を作って発売された方がいらっしゃいました。その方は、ご自身が乳がん経験者で、自ら下着で苦労した体験をもとに商品を開発しました。下着販売だけではなく、「乳がんについて多くの女性に知ってほしい」との啓発活動もしています。

単なる経済ニュースとして見るならば、下着の発売は特に珍しいことではありません。でも、乳がん経験者が自ら病気を乗り越えて起業したということ、乳がんについて啓発活動を行っているということが加われば、見方が変わってきます。多くの女性の関心と共感を集めることが予測され、一気に社会性を帯びます。実際、この方はプレスリリースをもとに取材を受け、地元の新聞やテレビで大きく紹介されました。

このように、見方や切り口を変えることで、一つの事象が社会性を帯び、共感を呼ぶことがあります。プレスリリースは、メディア対して書くものですが、要は人々の心を動かすことができるか、共感を呼ぶか、というのが大きなポイントになります。

そして、そのためには共感を呼ぶストーリーに組み立てることが必要なのです。

 

ストーリーを組み立てよう

 

ストーリーとは、商品やイベントを何のために考え出したのか、どんな思いで作ったのか、そして何を目標としているかなどをわかりやすくまとめたもののことです。取材を受けるときはここを重点的に聞かれることが多いですから、取材対応のためにも一度は時間をかけて考えておくことをおススメします。

 

その際に注意しなければいけないのは、セールストークを書くのではなく、事実を具体的に描くということです。例えば「子育て中の女性に話題沸騰です」と書くといかにもセールストークですが、「弊社への問い合わせは月30件あり、大半は子育て中の女性からです」と事実を具体的に書くと説得力があります。どちらも同じ事実をもとにしています。

 

どのような点を取り上げてストーリーを組み立てていいか分からないと思う人もいるでしょう。 そのときは以下のような項目について、最初は箇条書きでいいので書き出してみましょう。

 

1. 商品について

誰がどんな思いで作っているか

誰のために作っているか

商品の機能・特徴はどんなものか

 

2. 人物について

自分の生い立ち、仕事歴を年表にまとめてみる

転機になった出来事、エピソード、シーン

 

3. 会社について

会社の歴史を年表にまとめてみる

他の会社と違う点は何か

 

記者の意図を確かめてから対応を

 

プレスリリースがマスコミの目にとまり、問い合わせの電話がかかってきました。さあ、本番はここからです。「よっしゃー!」と言いたい気持ちをぐっと抑えて、冷静になりましょう。

 

まず、どんな記事にする予定しているかについて、記者の意図を確かめたほうがいいでしょう。プレスリリースに書いてある事実についてどのように取り上げようと、その記者次第です。記事についてあなたが指示できるわけではなく、思ったように取り上げてもらえるとは限らないのです。場合よっては正反対の意向で聞いているのかもしれません。もし自分が思っているのと違う、マイナスイメージにつながると感じたら勇気を出して断ることも選択肢の一つです。

 

問い合わせの時点で、連載記事の一つとして取り上げてもらえることが分かれば、しめたものです。バックナンバーを参照することで、どんなことが聞かれるのか、どんな取り上げられ方をするかは、大体予測できます。バックナンバーは、新聞なら地域の図書館などで調べることができます。

 

そして取材日。基本的には記者の問いかけに答える形で取材が進むことになりますが、聞かれなくても、ここだけは紹介してほしいという部分をあらかじめピックアップしておいてしっかりと伝えるようにしましょう。また、パンフレットやチラシ等の資料、お客様の声や第三者の推薦などを書いた文書があればそれも準備しておきましょう。

 

取材後も、掲載が終わるまでは気を抜けません。問い合わせの電話が入るかもしれないからです。記者が書いた原稿のあいまいな部分をデスクがチェックし、掲載直前に問い合わせが入るということは珍しくありません。そんな状態がずっと続くわけではありません。取材されてから掲載されるまでの短い間くらいは、携帯電話にはいつでも出られる状態にしておきましょう。

 

掲載後は、あなたのもとには反響がたくさんあるでしょう。これまでと比べ、各段に忙しくなるかもしれません。でもそんな中、取材をしてくれた記者にお礼の手紙を書くことをおススメします。記者は仕事でしているので、お礼を言われても言われなくても特段扱いが変わることはないのですが、やはりお礼を言われると悪い気はしないものです。また、自分が書いた記事の反響を教えてもらうのは、記者にとってとてもうれしいことです。その記者に名前を覚えてもらえば、再び取材してもらう機会があるかもしれません。

 

このように「プレスリリース」には、いくつかポイントがあります。是非あなたの自慢の商品をプレスリリースにしてみてください。さらに興味をお持ちの方、時間がないので誰かにお願いしたいという方は、弊社でも承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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